足し算と引き算、グローバリゼーションと呼ばれるものについて

日本のお洒落って「お洒落しています」と主張しなければならないというか、何かを目に見えて付け足すという動作をしないとお洒落と見なされないというか、そんな感じがします。もちろん日本にもシンプルな服装と髪型を好む人たちは見られますが。女性の化粧にしても、アイシャドウを最低2色は使って目元に陰影を作り、引いていると見てわかるようにアイラインを引き、マスカラを塗り、チークを塗り、リップに色を載せる。ケバいとかではなくて、顔のパーツ全てに何かを施すことで化粧の完成とするその一連の流れが日本らしい足し算の文化だなあと。

日本の男性で圧倒的に人気なのは髪の量を減らしてワックスで形を作る髪型ですよね。日本の男性を見分ける方法は髪型のワックス使いの量、そして眉毛の形を本来の形よりも細く整えているかどうかだと思います。髪と眉毛にやたらと手を加えている男性を見ると、日本人だなあとしみじみするわけです。

反対に、髪型にしても服装にしても、ここ数年の韓国の流行は引き算のお洒落なんだなと思います。テレビ番組で見かけたのですが、日本の男性が化粧品の中で一番お金を使うのが整髪料だそうです。一方、韓国の男性は化粧水といった基礎化粧品。顔の美醜や職業に関係なく、化粧水と日焼け止めを若い男性が使うのは当然のこと。そして、流行しているのはサラサラのボブカット。こういった理由から、韓国に進出するのにはとても苦労すると日本の整髪料メーカーの人が話していました。おもしろい。

 

『垢抜けることイコール眉毛を整えること』という文化ですが、日本の男性の間で恐らく15年以上は続いていると思います。他のアジアの国では眉毛に剃刀をあてる文化はないみたいですね。なんでだろう。昔から本当に気になっていてしかたありません。髪にワックスをつけている方が、眉毛が整っている方がイケてるという文化の成り立ちと歴史をご存知の方がいたら教えてください。坂口健太郎といったメンズノンノモデルや星野源菅田将暉のような頭や眉毛をトゲトゲさせない男性芸能人も増えてきてはいますが、それでも男性向けのヘアカタログを見るとまだまだワックスとトゲトゲの天下のようです。

と思っていたら最近アメリカのラッパーと呼ばれる人たち、果てはアフリカにルーツを持つ世界中の男性たちの眉毛の多くが整えられていることに気づき更に謎は深まっております。アフリカに関連はないけどクリスティアーノ・ロナウドもそうだな。眉毛の細さは男らしさの象徴なんでしょうか。各国の髪型と眉毛の文化史に関する資料があれば読んでみたいものです。

 

韓国ファッションのタイ人の男女、韓国好きの日本人の女の子、ソウル外から来たんだろう垢抜けない格好の韓国人の男の子、韓国好きの日本人の彼女に影響されて韓国アイドル風の格好をしている男の子。日本人のような服装の台湾人の女の子。アイドルのような派手な服装をしているわけではないシンプルな服装の韓国人の女の子。アジア間での文化の溶け合い。そういったものを考えながら大阪の街を歩くのも楽しいです。